最終更新日:2024年03月01日
「うたの生まれるまち 小田原」
海と山の豊かな自然に恵まれ、歴史と文化がまちに息づく小田原。
日常から離れて小さな発見や気付きのある旅。
旅のなかで心に留めるもの、心に浮かぶもの。
結晶のような旅の瞬間を携えていくひとつの物語をお届けします。
歌人が実際に小田原に訪れて書き下ろした「短歌」を添えて。
歌人:手塚 美楽
location :
小田原漁港 / 漁港の駅TOTOCO小田原
港のある街で⽣まれた まぶしい⼈ 生活・レモン・ソフトクリーム
⾃分にとっては観光で訪れた場所ですが、そこに住んでいる⽅々にとって港は⽣活する場所です。
普遍性(どの観光地にもあるような気がする)を持つソフトクリームを海のある街に⽣まれた誰かが観光ではなく⽣活の⼀部として⾷べている情景です。
小田原漁港
漁港の駅TOTOCO小田原
location :
小田原漁港 / 漁港の駅TOTOCO小田原
好き嫌いがなくてうれしい 海⿃と海と⿂と向き合ってみる
旅先にくると⾷べ物の好き嫌いがなくてよかったという気持ちになります。
わたしが⾷べている⿂は⼩⽥原の海⿃が⾷べている⿂、その⿂が⾷べている⿂と同じ⿂なんです。
好き嫌いがなくなんでも⾷べれることは⾃然と向き合うことと同じであると考えています。
location : 鈴廣かまぼこの里
じぶんちに帰りたくない冬麗 ⼩⽥原、ビールの泡に溺れて
かまぼこの⾥のカフェで箱根登⼭鉄道があり、その中でかまぼこのおつまみとクラフトビールをいただきました。
⼣⽅、電⾞内に⽇が差し込んで、純粋に⾃分の家に帰りたく ないと思ったんです。
冬麗はかなり寒いけれど、空気が澄んでいる冬の晴れの⽇を表す⾔葉です。
海にも電⾞にもゆられる、⼩⽥原という街をイメージしています。
location : 鈴廣かまぼこの里
まだ幼いわたしを想うなぞる⾵かまぼこみたいな弾⼒の頬
かまぼこを⼝に⼊れたとき、⼦どもの頬のような弾⼒だと思いました。
この書き⽅だとちょっと怖いですが、⾝近なところに⼩さな⼦どもがいる⼈はわかってくれる気がします。
今はビールを飲める年齢になっていますが⾃分にも幼い頃があっのだと、かまぼこで思い出しました。
location : 小田原おでん本店
スカートをわざわざ短く折っていたわたしたちにも捧げるおでん
中学の部活帰りに、友だちとコンビニおでんを路上で⾷べていた思い出があります。
もちろん冬で、そのままだと⻑すぎるスカートを折って。
寒さでおでんの味は覚えていません。
でも、もう22歳になりました。わたしもその友だちも成⻑していないところはあれど世間的には⼤⼈扱いをされる歳です。おでんってコンビニのしか⾷べたことなかったけど、ほんとはこんなに美味しい⾷べ物だったんだね、と彼⼥とここに来て話したいです。
好きなだけ⼝に含めば誰からも〈クリームあんみつ〉期待されない(- 本丸茶屋)
クリームあんみつを⾷べられる⾃由、というものがあります。
仕事でも学校でも、いつも誰かに期待されている感覚はありませんか。
勝⼿に期待されて失望されたり、期待されることがプレッシャーになったりします。
なんでも好きにしていい⾃由を得られるの は、⼀⼈旅の最中くらいなんじゃないかと思いました。
ひとりでは⽣きていけないのと同じ、みんなが揃ってひとつのおでん (- ⼩⽥原おでん本店)
⼩⽥原おでん本店でおでんを⾷べるまで、きちんとしたおでんを⾷べたことがありませんでした。
おでんといえばメインではない⾷事というイメージ…… 。
しかし、⼩⽥原おでん本店のおでんは、だし、練り物、梅味噌、だいこんのすべてで「おでん」という⼀つの共同体を形成していると感じました。
それが「みんなが揃ってひとつのおでん」です。
電話番号:0465-33-1521