最終更新日:2024年03月01日
「うたの生まれるまち 小田原」
海と山の豊かな自然に恵まれ、歴史と文化がまちに息づく小田原。
日常から離れて小さな発見や気付きのある旅。
旅のなかで心に留めるもの、心に浮かぶもの。
結晶のような旅の瞬間を携えていくひとつの物語をお届けします。
歌人が実際に小田原に訪れて書き下ろした「短歌」を添えて。
歌人:上篠 翔
location : 小田原文学館
いつかあなたを忘れたとして石蕗は展覧会の額の静けさ
石蕗がたくさん咲いているな、ということを思いました。絵画のような街であるがゆえに、例えそこに人間がいなくても、いなくなっても、そういう自然物だけは永遠に静止して残り続けるような気がします。
緑と青に囲まれた街なので、差し色のような黄色が印象に残りました。
location : 小田原文学館
縁のない絵から絵までを話しつつゆく傷のように可愛い靴で
小田原を歩いていると、静物のような風景にいくつも出会いました。
小田原文学館の庭であったり、 松本剛吉邸であったり、あるいは変哲のない道沿いであったり。
どこかに偏ってそういう場所があるのではなく、街全体にさりげなく絵が飾られているような印象でした。
location : 八幡山古郭東曲輪
音楽に付箋はないさコーダから先は無限の余白 いこうよ
八幡山東曲輪はちょっと笑っちゃうくらいに街のすべてを見晴かすことのできる高台でした。
小田原市というのは、ぼくにとっては小田急の端っこで、すなわち行き止まりの街でした。
だけど、ここからの景色を見ると、まだまだ先があるように思えました。
それはきっと、人間関係においてもそうなのだと思います。
電話番号:0465-33-1521