観光トピックス

「うたの生まれるまち 小田原」

海と山の豊かな自然に恵まれ、歴史と文化がまちに息づく小田原。

日常から離れて小さな発見や気付きのある旅。

旅のなかで心に留めるもの、心に浮かぶもの。

結晶のような旅の瞬間を携えていくひとつの物語をお届けします。

歌人が実際に小田原に訪れて書き下ろした「短歌」を添えて。


歌人:井上 法子

あらすじ

東京で暮らす幼馴染の七瀬(ななせ)と岳瑠(たける)。

七瀬は休暇に岳瑠を誘って小田原に出かけることに。
大学の入学式、入社祝い、祖母の法事。
節目で会うことはあったけど、二人きりで旅行をするのは初めて。
幼い頃に小田原に岳瑠の両親と一緒に家族ぐるみで行ったが、ほとんど覚えていない。

歴史に興味がある七瀬は岳瑠を先導して歴史スポットを巡っていく。
小田原の歴史に触れて穏やかな気持ちになる二人。

色づく庭でゆっくりと流れる時間に浸る。

ロケ地 / 短歌

短歌

潮の⾳も⼤松の⾹もとりこんで街道の⾵をきみと分け合う

歌人からの一言

天守閣までの道のりを進みながら、ふしぎな錯覚におちいりました。
かすかに潮の⾳を、そしてりっぱな⼤松の、その⾹りを抱えているような⼼地。
歴史の厚みとともに、ひとびとは街道と呼ばれるそこを、たくさんの他者と、そしてたくさんの「きみ」と歩いてきたのだろう。
懐かしくて新鮮な⾵を取り込みながら、わたしたちは〈今〉を膨らませているのだ、とおもいました。

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location : 報徳二宮神社

短歌

城下にて⼩灰蝶(しじみのちょう)に告げられる秋の終わりを/冬の気配を

歌人からの一言

⼩⽥原駅から改札の外へと踏み出したとき、⼩さな蝶を⽬にしました。
ふだんは⾒逃してしまいそうな⼤きさの、けれど、いつかどこかで⾒たことのあるような。
その蝶を、まるで特別ないきもののように捉えられたのは、城下町の⾵情ただよう駅前の光景のおかげでしょうか。
蜆の⾙の模様をした⼩灰蝶は、⼩⽥原の汐⾵にのって、ときの巡りを知らせてくれるようでした。

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短歌

どんな時代も澄んだ眼でその湾をまなざすだろうこころあずけて

歌人からの一言

天守閣、松永記念館、⽯垣⼭⼀夜城、…… と、さまざま海の⾒えるところを巡りながら感じたことを⼀⾸におさめました。
これまで重ねられたどんな時代も、たくさんの〈ここ〉から湾を眺めるまなこはきっとみな澄んでいたであろうと、そのように感じさせるパワーを、どの景⾊からも感じました。
こころをあずけて、それもまるごと受け⽌めてくれるほどの。 

小田原城址公園

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石垣山一夜城

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location : 松永記念館

短歌

⾬、あるいは⿂(うお)の息継ぎ 不意打ちのよろこびのごとくゆる⽔紋

歌人からの一言

池やお堀をながめていると、ときおり、⽔紋のひろがってゆく。
その様⼦がなぜだか印象に残っています。
にわか⾬が降ってきたのかと思いきや、鯉が⽔⾯に向かって⼝を開いたり、跳ねるしぐさの余韻だったりする。
そのささやかな愕きは、ふいにやってくるよろこびのようだと気づいて、ふいに波打ち、やがてしずまってゆく様⼦に、こころを添わせていました。

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短歌

⾊づく葉 そよぐ葉 散る葉 この庭でとわにひかりを⾒守りながら

歌人からの一言

松永記念館の、とりどりの紅葉に焦点をあてて作成しました。
たくさんのあたたかな、円やかな愛に囲まれたこの庭で、⾊づいてゆく葉たちはひかりを⾒守っているのだと、陽光や海のきらめきをうけて輝く空間にみずからも⾝を置きながら、沁み⼊るようにそう感じました。

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その他の短歌

⽼欅(ろうけやき)は教えてくれるみずからの葉のはざまから海が⾒える、と(- 松永記念館)

歌人からの一言

この旅のなかで、とくに記憶に残った場所のひとつが松永記念館でした。
庭のはしから茶室の⼩窓に⾄るまで、かつてのあるじのこだわり、⾔い換えるとこの世界に対する愛と、たっぷり触れあうことのできる場所。
⼤きなおおきな⽼欅を通して⾒えた海は、はつふゆのひかりを浴びて、煌めいていて。
枝と枝のはざまから、そのきらめきが⾒え隠れする様⼦に、すっかり魅せられてしまいました。

その他の動画はこちら

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経済部:観光課

電話番号:0465-33-1521

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