観光トピックス

「うたの生まれるまち 小田原 ~追憶篇~」 ショートフィルムVer.

うたの生まれるまち小田原のキービジュアル画像です。


「うたの生まれるまち 小田原」

海と山の豊かな自然に恵まれ、歴史と文化がまちに息づく小田原。

日常から離れて小さな発見や気付きのある旅。

旅のなかで心に留めるもの、心に浮かぶもの。

結晶のような旅の瞬間を携えていくひとつの物語をお届けします。

歌人が実際に小田原に訪れて書き下ろした「短歌」を添えて。

<歌人>
川野芽生 / 佐佐木定綱 / 服部真里子 / 二三川練


はじめに

「日常から離れて小さな発見や気付きのある旅。
短歌は日記や詩と同様に、何か心に留めるものがあった時に浮かぶものです。

多くの人々にとって現代の旅は体験を消費していく、その場限りの”ファスト”なものになりがちです。
何か明確な目的をもって旅に行くのではなく、そこに行って初めて生まれる感情や想いを味わう。
元々意図していたものが得られたから良いのではなく、自分自身のなかや周囲との間で生じる化学反応を楽しむ。
そうした旅人が増えると良いのではないかと思っています。

うたの生まれるまち小田原の画像です。

短歌は持ち運べる言葉の方舟です。
今感じたこと、起きた出来事を短歌という結晶に込めてみる。
短歌は時を経ても、その言葉を紐解くことで、折り畳まれた四次元の空間から取り出すように、忘れてしまいがちな付随したささやかな出来事や感情をいつでも思い出すことができます。

うたの生まれるまち小田原の画像です。

人は旅を通してそこで見たもの/感じたことだけではなく、そうしたことから連想して、かつて見聞きしたことやお互いのことを話すもの。
観ていただく方々にとって、どこか遠い記憶が蘇り、思い出してもらえるような物語にしました。

この物語を通して、小田原という場所に行きたいと感じてもらえるだけではなく、こういう旅の”時間”や”ひととき”そのものを過ごしたいと思ってもらえるようにと願って制作しました。」
 

(うたの生まれるまち小田原 制作チーム一同)

あらすじ

桜が咲き乱れる春。
東京で暮らす美大生の伊吹は父親の隆平と小田原を訪れる。
伊吹が独り立ちしてから初めて二人で行く旅。
小田原はかつて亡き母親と訪れた思い出の場所だった。

美大の学業に追われる伊吹と仕事が多忙で息もつけない隆平。
伊吹は自身の生活に精一杯で離れて暮らす隆平とは距離が出来ていた。
小田原のまちに触れて、伊吹と隆平は肩の力が抜けて、こころを開いてゆく。
隆平はそうした伊吹の瞬間を残そうと、カメラを向ける。
少しずつ隆平と打ち解けていく伊吹。
その手にはひとつの箱があったーー。

春から夏にわたって、親子の二人が小田原をさすらう物語。

キャスト

新谷 ゆづみさんの画像です。

新谷 ゆづみ

YUZUMI SHINTANI

伊吹 役


金子岳憲さんの画像です。

金子 岳憲

TAKENORI KANEKO

隆平 役



村上由規乃さんの画像です。

村上 由規乃

YUKINO MURAKAMI

店員 役
 

劇中短歌

咲くことを樹々は厭わず散ることを惜しまずいかな春は来るとも( - 小田原城址公園)

夢の記憶ひとつを取り戻すやうに掌に亨けたりき柑橘一顆( - オーランジェ・ガルデン)

輝ける腕あまたを差し伸べて天は千年の春のうちなり( - 長興山紹太寺)

光の糸のような滝ありいくつもの夏の記憶を縫い上げてゆく( - 小田原古稀庵)

天気雨 眠ろうわたしと天国の間に薄い紙をはさんで( - だるま料理店)

触れてても無限に遠いわたしたち 寄木細工の地球のうえで( - 太田木工)


ビハインドストーリー「あの頃、あなたたちは…」

【ここでしか聞けない 制作者の作品に込められたビハインドストーリーをご紹介】

春の撮影前に脚本とは別途、物語に込めた背景として撮影に挑んだ。

「今日出会った誰か。
かつて一緒に過ごした誰か。
わたしたちはそうした人々の色を纒って生きていて、その出会った誰かもささやかながらも自分の色を纒って生きている。

その色とは”記憶”であるように思う。

修学旅行の恋バナを覚えてくれていた友人。
花屋で働いていたこと を覚えてくれていた先輩。

誰かが覚えていないとそこにあった時間が、ときに自分自身すら、 存在していなかったかのように感じることがある。

世界に対して繊細で鋭敏な感覚を持つ伊吹、鈍感だがおおらかに受け入れる隆平。
小田原の旅を通して登場人物の伊吹と隆平は共に積み重ねた時間、失っていた時間をお互いに埋め合う。
伊吹が忘れていた記憶を隆平が覚えていて、隆平が忘れている記憶を伊吹が覚えている。
伊吹は隆平と向き合うなかで、特別な存在だと思っていた父親が同じ一人の人間としてどういう人かを知る。
分からないこともあれば、隠していた感情もあり、涙することもある。

そうしたなか親子の二人は亡き母の記憶を引き継いでいく。
かつて訪れた旅を回想しながら、 大人びた伊吹に妻の面影を見る隆平。
幼少期の遠い記憶を手繰り寄せながら、秘密箱にひそむ母との思い出にたどり着く伊吹。

人生の結晶となる瞬間を言葉にして携えていく短歌。
旅の最後に伊吹は短歌を詠むように、ひとつのささやかな寄木細工のブローチを選び取る。
かつて母が家族で暮らす非日常の名残惜しさを寄木細工の小物にこめて秘密箱を閉めたように。
母の形見と出会うことで時空を超えて親子三人の糸が結び直され、止まった時間は再び動き出す。

空を飛ぶドローンや木陰から覗く視点。
それは誰かの「風・吐息・気配」とも言える。
今はいない誰かのまなざし、見守る視点、かつて同じ 場所にいたであろう気配。
吹き抜ける風のようにすれ違い、去ってゆく視点。
亡き母からの 「愛するあなたたち」へのまなざし。

「あの頃、あなたたちは…」

と、微笑ましく旅を回想する声が、空から聞こえてくる。」

(プロデューサー 井上 天馬)

スタッフ

スタッフ
監督・撮影・編集 細沼 孝之
プロデューサー 宮下 司
企画・脚本・プロデューサー 井上 天馬
撮影 河原 空哉
照明・撮影助手 佐伯 洋志
録音・整音 増喜 公美
助監督 川井田 育美
ヘアメイク・衣装 タカダ ヒカル
ヘアメイク応援 平方 さつき
スチール・劇中フィルム 小財 美香子
制作応援 義澤 侑城
宇佐美 皐太
小佐々 美月
尾関 来紀
歌人
第1話 「千年の春」 川野 芽生
第2話 「光の糸」 佐佐木 定綱
第3話 「天気雨」 服部 真里子
第4話 「寄木細工の地球」 二三川 練
制作
制作 株式会社 Tokyo New Cinema

この情報に関するお問い合わせ先

経済部:観光課

電話番号:0465-33-1521

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