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2016年11月14日(月)

□ 小田原の街でこんな美術展 □ =第81回西相美術展=

◆小田原の美術界を代表する美術展「第81回西相展」が、10月19日(水)から23日(日)まで小田原市民会館で開催された。展示総数は171点、うち洋画96点、日本画16点、彫塑11点、高校生の部48点であった。◆美術作品はどのように鑑賞するのか。いつも作品を見るとき、あまり「感動をしない」筆者の性格から、作品から「何か具体的なもの」を見つけようとしている。「きれい」とか「すばらしい」とか「すごい」という漠然とした言葉がきらいだ。しかし、追いかけているうちに、つい枝葉末節だけを見てしまうことにもなる。いつものように勝手に「鑑賞」してみる。

■共感の源泉は安定しない心のうち
不安な夕暮れの都市の風景。空の赤さは夕焼けか遠くのネオンか(左)。枯れかかった向日葵がドライフラワーにならずまだ土の上で命を保っている。恐ろしい心象を表現する作品だ(中央)。壊れた機械のようなモノから逃れようともがくヒトの影に絡み合う抽象画は、近未来の象徴か(右)。これら感覚の異なる3点は、いずれも入賞作品だ。作家が違えば当然ながら作品の持つ意味も異なる。同時に鑑賞者もそれぞれの感受性によって作品との交感のしかたも違ってくる。いっぽう、普遍的な感覚というものもあって、誰が描いても誰がみても同じ感覚が得られる。そういうとき、「不安」とか「恐怖」のようなネガティブな感覚をもった作品が印象に残る。共感とは、すなわち安定しない心のうちだろうか。

■深い緑の森と湖の奥に潜むもの  
これも入賞作品。前に立つのは作家さん。いつも自然をモチーフにしながら暗示的な作品を制作している。深い緑の湖面と木立だけの画面に不思議な空間が生まれている。奥行きを感じるこちら側には静かながら現実の世界がある。しかし、この絵の向こう側には何があるのだろうか。森の奥や湖底ではない別の次元の空間の存在を感じる。

■富士と祭りとペインズグレーと剣士たち
4点ともそれぞれ違ったモチーフを、それぞれ違った感性で描いている。鮮やかな色彩で早春の富士と梅を描いた作品は単に風景画というには勿体ない(左)。「宗民」というお札を掲げたお祭りを描く作家さんは、いつもご縁日やお祭りをモチーフに描く。躍動する人々の祝いの心が伝わる(中左)。ペインズグレーの服を着た若い女性。濃く使えば濃青に、薄く描けば灰色になる画材。着飾るよりシンプルなペインズグレーを選んだ女性のセンスが見える(中右)。「メーン」という声が聞こえてくる。一瞬の差で勝敗が決まる。防具の中の剣士の表情はもちろん腕前や年齢までも見えてくる(右)。 

 

第81回 西相展(第63回小田原市市民文化祭参加)
期日 2016年10月19日(水)-23日(日) 終了
 会場 小田原市民会館
主催 西相美術協会 事務局080-6570-3860
                                                                                            
ゆきぐま記

2016/11/14 13:17 | 美術


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