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2014年10月24日(金)

小田原の街でこんな美術展〜第二金土デッサン会会員展〜

線の美しさ、色の美しさ、女性の美しさ。裸婦を描くとき作家は何を思っているか。日ごろデッサンで研鑽を積む美術グループ「第二金土デッサン会」の会員展が、9月24日(水)から29日(月)まで、ギャラリー新九郎で開かれていた。
「豊満な裸婦」(右から3番目)・「裸婦立像」(右から2番目)「豊満な裸婦」(右から3番目)・「裸婦立像」(右から2番目)
■量感の裸婦・静と動の対比
横田逸郎さんの「豊満な裸婦」と「裸婦立像」は、裸婦の量感と質感を描き上げた油彩。力強い筆致が人物の存在感を現している。近藤満丸さんの水彩「物憂いなし」と「座して静」は、鮮やかな色とためらいのない筆致で描かれている。「静」をイメージするタイトルとの対比が印象をより強くする。
■「人体デッサンは創作の基本」と作家さん
デッサン会展では、裸婦や着衣の人物画が会場いっぱいに溢れていた。油彩、水彩、パステル、鉛筆など画材も多様。同じ人物でも画材や画法の違いとともに、描く人の個性が際立っている。繊細な線、大胆な線、淡い色彩、濃厚な色あい…どんな人がどんな感性をもって描いたのだろうかと想像したくなる。作家さんのひとり加藤迪余さんはいう。「人物画を描くとき人体を構成する要素の位置やバランスを意識します。デッサン会で人体を描いてきていることが、いろいろなモチーフで描くときの勉強になっています。人物それも裸婦デッサンはすべての基本です」と。
■それぞれの作品・それぞれの感動
感性でも描く。理性でも描く。誇張もある。省略もある。抽象的な絵もある。これだけ様々な人物画が集まると、圧倒される。と同時になぜ絵に訴える力があるのかを知ったような気がした。小さいけれども会員展で展示されていた人物画から一部をならべてみた。ブログ読者は、それぞれの作品からどんな感動を得るだろうか。
「物憂いなし」(右から3番目)・「座して静」(右から2番目)「物憂いなし」(右から3番目)・「座して静」(右から2番目)
■東京や伊東からも集まる会員
第二金土デッサン会は、小田原市中央公民館けやきで活動する美術グループ。プロフェッショナルな画家からアマチュアの愛好家まで、裸婦、着衣、クロッキーをそれぞれ自由な画法や画材で描いている。市内や小田原近郊はもとより東京や伊東からも集まる。第二金土デッサン会というユニークな名称は、発足当初は第2金曜と土曜に定期的に開催していたからとのこと。小田原美術界に大きな足跡を残した井上三綱さん、今の小田原美術界を代表する日下部良平さんや豊島シズ枝さんらがその草創という。
(ゆきぐま記)
□会期:(終了)9月24日(水)-29日(月) □時間:10時-18時 
□会場:小田原市栄町2-13-3 ギャラリー新九郎 0465‐22‐1366
□問合せ:代表幹事 横田逸郎 0465-47-8775

2014/10/24 13:45 | 美術

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