歌川国芳　曽我十番切之図　(詳細)

１と同じく曽我兄弟の奮戦の様子を描いた国芳の作品である。中央に五郎時致、左上に十郎祐成を描き、兄弟を取り囲み、切り合う頼朝の部下たちを劇的な構成で描出している。国芳は、「武者絵の国芳」といわれたほど歴史上の事件、人物を画題とした歴史絵を得意とし、その近代的写実的な人物描写には定評があった。本図でも兄弟をはじめ頼朝の部下の一人一人が個性的に描かれており、画面に動的な迫力を与えている。

版元　山口屋藤兵衛