最終更新日:2010年11月25日
富士裾野の巻狩の陣屋で、父の仇討ちを果たした曽我兄弟は、駆けつけた頼朝の部下に囲まれ、激しく切り合った。歌舞伎でも「曽我十番切」として知られているこの画面は、浮世絵でもしばしば画題として取り上げられている。
国貞の描いた本図も同様なものであるが、豪雨の中を激しく渡り合う兄弟の背景の情景描写が秀れている。幔幕を張った陣屋が幾重にも重なり、遠方には富士が見える。遠近法を巧みに取り入れた構図は画面に立体感を与え、国貞武者絵の中では秀作の一つに数えられよう。
版元 山口屋藤兵衛
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