皮膚科

 皮膚に関するトラブル、悩みについて幅広く対応しております。最近は高齢化社会の影響で皮膚がんを気にして受診される高齢の患者さんが増えております。若い方やお子さんの場合は手のひらや足の裏のほくろを気にして来院されるケースも多いです。
 アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などは代表的な皮膚の病気でなかなか良くならない方も多かったのですが、最近は良く効く注射薬や内服薬が開発されています。高価であり、対症療法のため薬を中止すれば再発するという欠点はありますが、今までにない効果が期待できます。もちろん暴飲暴食や肥満、ストレスなどの悪化因子の除去も大切です。外用剤もステロイド軟膏とは違った作用機序の薬が開発されています。
 帯状疱疹は時に重症化し、神経痛が数か月も残存して日常生活に支障をきたすことがあるため、高齢者や基礎疾患のある方の場合は入院して点滴での治療をおすすめしています。
 当科を受診される際は近所のかかりつけ医等で紹介状を作成してもらって受診することをおすすめします。

認定施設

日本皮膚科学会認定専門医研修施設

主な対象疾患

皮膚悪性腫瘍

有棘細胞癌、ボーエン病、日光角化症、ケラトアカントーマ、基底細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病、メルケル細胞癌、血管肉腫、カポジ肉腫、皮膚附属器癌

皮膚良性腫瘍

粉瘤、脂肪腫、皮膚付属器腫瘍、色素性母斑、脂漏性角化症、線維腫、石灰化上皮腫

自己免疫水疱症

水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、線状IgA水疱性皮膚症

各種皮膚感染症

帯状疱疹、蜂巣炎、カポジ水痘様発疹症、壊死性筋膜炎

その他

アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、蕁麻疹、薬疹、中毒疹、円形脱毛症

スタッフ紹介

役職名
氏名
資格等 専門領域
主任部長
水野 尚
日本皮膚科学会皮膚科専門医、 日本がん治療認定医機構がん治療認定医、臨床研修指導医 皮膚全般
医師
山村 一美
  皮膚全般
医長
長島 優
  皮膚全般

診療実績(入院患者)


    2018 2019 2020 2021 2022
皮膚悪性腫瘍 有棘細胞癌 9 7 6 3 7
  ボーエン病 1 1 3 0 2
  日光角化症 1 2 4 2 1
  基底細胞癌 7 5 7 11 8
  悪性黒色腫 4 4 4 0 0
  乳房外パジェット病 3 2 2 0 0
  皮膚付属器癌 0 1 0 1 0
  降起性皮膚線維肉腫 0 0 1 0 0
  メルケル細胞癌 0 1 0 0 0
  悪性リンパ腫 0 3 0 0 0
  その他 0 1 1 3 1
皮膚悪性腫瘍合計   25 27 28 20 19
皮膚良性腫瘍 脂肪腫 1 9 0 3 5
  粉瘤 3 1 2 7 2
  その他 3 6 5 8 6
皮膚良性腫瘍合計   7 16 7 18 13
感染症 帯状疱疹 24 36 27 35 16
  水痘 0 2 0 0 1
  カポジ水痘様発疹症 0 0 3 1 0
  ツツガムシ病 0 1 0 0 0
  蜂巣炎 15 25 20 24 12
  丹毒 2 8 1 1 2
  壊死性筋膜炎 0 3 2 4 0
  皮下膿瘍 1 3 0 1 1
  その他 1 0 0 0 1
感染症合計   43 78 53 66 33
自己免疫性水疱症 水疱性類天疱瘡 4 3 2 4 3
  尋常性天疱瘡 0 1 1 0 1
  落葉状天疱瘡 4 2 5 1 0
自己免疫性水疱症合計   8 6 8 5 4
薬疹   5 1 0 3 2
重症薬疹 スティーブンス・ジョンソン症候群 1 2 1 0 0
  中毒性表皮壊死症 0 0 0 0 0
  薬剤性過敏症症候群 1 0 0 0 0
  急性汎発性発疹性膿疱症 0 1 2 0 0
重症薬疹合計   2 3 3 0 0
中毒疹   0 7 2 3 0
多形紅斑   1 2 1 3 1
糖尿病性壊疽   5 2 3 4 4
褥瘡   1 0 2 2 0
下腿潰瘍   0 8 2 2 0
化膿性汗腺炎   0 2 2 0 0
その他   9 6 8 17 12
全疾患合計   106 158 119 143 88

診療実績(外来患者)

  2018 2019 2020 2021 2022
1日平均外来患者数 51.7 49.5 40.9 46.9 41.0
年間総外来患者数 12,607 11,875 9,932 11,160 9,967

診療内容

皮膚悪性腫瘍

 有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病などの診断・治療を積極的に行っております。ダーモスコープという特殊な拡大鏡も診断に有用です。昨年は41例の皮膚悪性腫瘍の切除を行い、そのうち19例は入院しました。

アトピー性皮膚炎

 最近はデュピルマブ(注射薬)やヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤の内服薬が開発され、当院でもこれまでに24人の患者さんにデュピルマブを処方しています。JAK阻害剤の内服薬は副作用がやや強く注意が必要です。またJAK阻害薬やPDE4阻害薬の外用剤も開発され、当院でも処方可能なため、ステロイド外用剤の副作用が心配な方はぜひご来院ください。

乾癬

 ステロイド、ビタミンD3等の外用療法、光線療法でも改善しない場合、セクキヌマブなどの生物学的製剤の治療を行っており、当院ではこれまでに、12人の患者さんに処方しています。アプレミラスト(内服薬)も最新使用可能となり、生物学的製剤ほど効果は強くないですが、副作用も少なく、たくさんの患者さんに使っていただいております。

掌蹠膿疱症

 内服と外用、紫外線療法で、改善する場合も多いですが、難治例では金属アレルギーの検査、扁桃炎などの病巣感染の治療で改善することもあります。最近、生物学的製剤の使用も認可され、当院ではこれまでに、1人の患者さんに使用歴があります。

蕁麻疹

 通常は抗アレルギー剤による治療で治癒しますが、難治な場合には、悪化要因として各種鎮痛剤の使用、扁桃腺などの慢性感染症、ストレスなどの関与がないか検索します。最近はオマリズマブという生物学的製剤が使用可能となり、当院ではこれまでに、4人の患者さんに使用歴があります。

自己免疫水疱症

 まずステロイド全身投与を行い、難治な方には、血漿交換療法、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)、各種免疫抑制剤の内服など種々の治療を組み合わせて行っております。
 昨年度は4人の患者さんが入院加療しました。

帯状発疹

 抗ウイルス薬の内服を中心に治療を行いますが、重症例には入院して点滴治療をします。帯状疱疹後神経痛には鎮痛薬の処方を行っていますが、難治な場合は他院麻酔科での加療をおすすめしています。昨年度は16人の患者さんが入院しました。

薬疹

 中毒性表皮壊死症(TEN)、スティーブンス・ジョンソン症候群、薬剤性過敏症症候群など重症薬疹を積極的に診断・治療しております。ステロイド全身投与に加え、重症例には血漿交換療法、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)を行っております。

男性型脱毛症

 男性型脱毛症の治療薬であるフィナステリドとデュタステリドの処方も自費診療となりますが行っております。

小田原市立病院

〒250-8558 神奈川県小田原市久野46番地 電話:0465‐34‐3175ファックス:0465‐34‐3179

© Odawara Municipal Hospital. All rights reserved.