当院では、腎臓に何らかの疾患を抱える方を中心として診療にあたっています。
腎臓は非常に複雑な臓器であり、その機能を大きく分けると次の4つが挙げられます。
- 尿毒素(過剰な電解質を含む)の排泄
- 余計な水分の排泄
- ホルモン産生(造血作用を持つエリスロポエチンや血圧を調整するレニンなど)
- ビタミンDの活性化
次にあげる事柄のいずれかに当てはまるようでしたら、一度当科の受診をご検討ください。
1 検尿異常を指摘された方 | 尿蛋白、尿潜血、白血球のいずれかが陽性 |
2 腎機能が悪いと診断された方 | 採血においてクレアチニンが高い、もしくはeGFRが低い |
3 血圧が高い方 | 原因を問わず |
4 足のむくみがある方 | 原因を問わず |
5 電解質異常のある方 | ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、リン、マグネシウムなど |
6 腎機能低下が原因で貧血があると診断された方 | 造血剤(エリスロポエチン製剤)を投与する必要がある |
7 腎機能が悪く骨粗鬆症である方 | 腎機能が悪いと使用できる骨粗鬆症薬が限定される |
腎臓初期の異常は、普段受診されている検診で検尿異常(尿蛋白や潜血陽性)が検出されることから始まります。中には検尿異常がなく、血圧が高いだけの方もいらっしゃいます。これらの異常が軽度であると自覚症状が乏しいために軽視されがちですが、透析に至るリスクを下げるためには、後に述べるクレアチニン(Cr)が上昇する前に治療を開始することが重要です。
検尿異常を引き起こす疾患は多くあるため、原因を調べることが重要で、詳しい血液・尿検査に加えて、必要があれば腎臓の一部を採取して、顕微鏡で観察する腎病理診断を行います。特に゛尿蛋白”が多いと透析に至るリスクが高いと考えられるため、検査・治療をすることが重要です。検尿異常を指摘された場合、一度は腎臓専門医を受信することが推奨されます。血圧が高いと腎機能が悪化し、腎機能が悪化すると血圧が上昇するという悪循環に陥るため、原因を調べて食事療法、運動療法、内服療法を選択します。
一般的に腎機能と呼ぶ場合、尿中への毒素を捨てる能力のことをさし、採血で血清クレアチニンやシスタチンC、これらから計算された推定糸球体濾過量(eGFR)で判断します。検尿異常もしくはeGFR60未満が3ヵ月以上続いた場合に慢性腎臓病(CKD)と呼びます。特にeGFRが45を下回った場合に、透析に至るリスクが高いため、一度腎臓専門医を受診する必要があります。腎機能悪化の速度を少しでも遅くするための治療を行うことが重要です。
残念ながら腎機能悪化を食い止められず、eGFRが15を下回った場合、もしくは全身の浮腫が制御できなくなった場合には腎臓の代わりとなる治療である腎代替療法を考慮します。透析療法は血液透析と腹膜透析に分けられ、いずれも事前に準備となる手術が必要です。尿毒素が溜まることで食欲が落ちたり、塩水が捨てられずに足や全身にむくみが出現したりします。これらが内服治療でコントロールできない場合には透析を開始します。血液透析と腹膜透析にはいずれもメリット・デメリットがあるため、よく相談しながら治療法を選択していきます。
<血液透析を選択された場合>
開始後1~2週間程度、当院に入院して安全に透析が継続できることを確認した後に、通いやすいクリニックに定期的な通院をしていただきます。
<腹膜透析を選択された場合>
月1回程度当院へ通院していただきます。
<腎移植を希望する場合>
大学病院など適切な施設を紹介します。
腎臓が悪くなると、ビタミンDの活性化が不十分となり、それに関して骨粗鬆症が進行します。そのため骨粗鬆症に対する治療も積極的に行っていきます。
当科では、腎臓に疾患を抱える方以外にも、炎症性腸疾患に対する白血球除去療法、自己免疫性疾患などに対する血漿交換などにも携わっていきます。
検尿異常を引き起こす疾患は多くあるため、原因を調べることが重要で、詳しい血液・尿検査に加えて、必要があれば腎臓の一部を採取して、顕微鏡で観察する腎病理診断を行います。特に゛尿蛋白”が多いと透析に至るリスクが高いと考えられるため、検査・治療をすることが重要です。検尿異常を指摘された場合、一度は腎臓専門医を受信することが推奨されます。血圧が高いと腎機能が悪化し、腎機能が悪化すると血圧が上昇するという悪循環に陥るため、原因を調べて食事療法、運動療法、内服療法を選択します。
一般的に腎機能と呼ぶ場合、尿中への毒素を捨てる能力のことをさし、採血で血清クレアチニンやシスタチンC、これらから計算された推定糸球体濾過量(eGFR)で判断します。検尿異常もしくはeGFR60未満が3ヵ月以上続いた場合に慢性腎臓病(CKD)と呼びます。特にeGFRが45を下回った場合に、透析に至るリスクが高いため、一度腎臓専門医を受診する必要があります。腎機能悪化の速度を少しでも遅くするための治療を行うことが重要です。
残念ながら腎機能悪化を食い止められず、eGFRが15を下回った場合、もしくは全身の浮腫が制御できなくなった場合には腎臓の代わりとなる治療である腎代替療法を考慮します。透析療法は血液透析と腹膜透析に分けられ、いずれも事前に準備となる手術が必要です。尿毒素が溜まることで食欲が落ちたり、塩水が捨てられずに足や全身にむくみが出現したりします。これらが内服治療でコントロールできない場合には透析を開始します。血液透析と腹膜透析にはいずれもメリット・デメリットがあるため、よく相談しながら治療法を選択していきます。
<血液透析を選択された場合>
開始後1~2週間程度、当院に入院して安全に透析が継続できることを確認した後に、通いやすいクリニックに定期的な通院をしていただきます。
<腹膜透析を選択された場合>
月1回程度当院へ通院していただきます。
<腎移植を希望する場合>
大学病院など適切な施設を紹介します。
腎臓が悪くなると、ビタミンDの活性化が不十分となり、それに関して骨粗鬆症が進行します。そのため骨粗鬆症に対する治療も積極的に行っていきます。
当科では、腎臓に疾患を抱える方以外にも、炎症性腸疾患に対する白血球除去療法、自己免疫性疾患などに対する血漿交換などにも携わっていきます。
医療機関の方へ
腎機能異常については、検尿異常や血圧高値のみの初期の腎障害から、保存期腎不全、腎代替療法を要する急性腎障害、慢性腎障害、急性進行性糸球体腎炎まで幅広く診療いたします。多発生嚢胞腎、Alport症候群などの遺伝性疾患の診断・治療についても他施設と協力しながら行っていきます。
特に腎病理を含めた検尿異常の原因診断・治療、電解質異常、維持透析を含むCKDにおける骨粗鬆症治療が得意分野となります。何かございましたらお気軽にご紹介・ご相談ください。
一方で、軽症の患者さんに関しては逆紹介を行うことが多々あろうかと存じます。また当院では外来維持透析を原則受け付けておりませんので、維持透析の患者さんにつきましては、積極的に紹介申し上げますので、ご協力いただければ幸いです。
特に腎病理を含めた検尿異常の原因診断・治療、電解質異常、維持透析を含むCKDにおける骨粗鬆症治療が得意分野となります。何かございましたらお気軽にご紹介・ご相談ください。
一方で、軽症の患者さんに関しては逆紹介を行うことが多々あろうかと存じます。また当院では外来維持透析を原則受け付けておりませんので、維持透析の患者さんにつきましては、積極的に紹介申し上げますので、ご協力いただければ幸いです。
スタッフ紹介
役職名 氏名 |
資格等 | 専門領域 |
---|---|---|
科長 副田 圭祐 |
日本内科学会認定内科医 日本腎臓学会腎臓専門医 |
診療実績
2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|
経皮的腎生検 | 27件 | 39件 | 56件 |
血液透析導入 | 36件 | 48件 | 49件 |
内シャント造設 | 34件 | 49件 | 45件 |
カフ型カテーテル留置術 | 6件 | 12件 | 24件 |
透析シャントPTA | 12件 | 40件 | 48件 |
腹膜透析導入 | 3件 | 1件 | 4件 |