呼吸器外科

 神奈川県西湘地区のがん拠点病院として、胸部の呼吸器外科領域の診療を担当しています。 担当する主な疾患は、肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、嚢胞性肺疾患・気胸、膿胸と胸部外傷です。
 小型肺がん、転移性肺腫瘍、良性縦隔腫瘍、自然気胸、膿胸等は、低侵襲の胸腔鏡下手術を取り入れています。呼吸器外科手術の全例にパスを採用し、チーム医療を推進することで、呼吸リハビリと早期離床を促すことで、手術後10日での社会復帰を目指します。
 肺がん手術患者さんの在院日数は7日、気胸患者さんの術後在院日数は2.5日です。
 呼吸器外科の初診は予約制です。初診診療は、木曜午後、金曜午前に初診枠を設定しています。当院の予約センターにFaxまたは電話にてご希望の日時をお伝え下さい。初診受診時は、診療所からの診療情報提供書と画像データーまたはレントゲンフィルムを総合受付に提出下さい。精密検査の追加と手術適応と判断した患者さんは、初診後に諸検査を行いますので、在院時間は4時間程度かかります。

 肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍などで呼吸器外科領域のセカンドオピニオンを希望される方は、予約センターに申し込み下さい。概ね1週間以内に受診できるように手配いたします。
 気胸や膿胸、外傷等の急性期疾患は、随時診療しますので、診療所から呼吸器外科の医師に直接電話下さい。手術中など対応出来ない場合は、地域医療連携室0465-34-3175内線3536で承ります。
 予約センター(Fax)0465-34-3180予約センター 0465-34-3175内線3108

 呼吸器外科領域の技術と手術成績向上、本邦の症例集積のため、2012年以降当院の手術症例は、個人が特定出来ない形式で、日本外科学会等が運営する National Clinical Database (NCD) に手術登録します。下記の手術数は、2011年までは日本胸部外科学会の学術委員会に提出した報告書、2012年以降はNCDの登録を転記しています。

主な対象疾患

肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、嚢胞性肺疾患・気胸、膿胸、胸部外傷など

治療実績

分類 術式 2018
(手術件数)
2019
(手術件数)
2020
(手術件数)
2021
(手術件数)
2022
(手術件数)
原発肺悪性腫瘍、
転移性肺腫瘍、
縦隔腫瘍疾患
膿胸、感染症
胸腔鏡下(開胸)
 肺葉切除術
 肺部分切除術
 縦隔腫瘍切除術
 胸膜生検術
 醸膿胸膜搔爬術
39 23 22 24 19
肺嚢胞性疾患
自然気胸
胸腔鏡下(開胸)
 肺葉切除術
 肺部分切除術
33 5 21 14 11

診療内容

肺がん

 肺癌の標準術式は「肺葉切除と縦隔リンパ節郭清」です。比較的早期の患者様には胸腔鏡下を行い、低浸襲な手術を目指します。

 肺癌患者さんにおいては、早くから緩和ケアチームの協力のもと、患者さんの精神的なケアに取り組んでいます。
 手術前にリハビリテーション科医師指導のもと呼吸リハビリを事前に行い、術後合併症の肺炎の予防と術後の早期回復を目指します。

自然気胸

 自然気胸 20歳前後の痩せ型の男性に多い疾患で、突然の呼吸困難と胸部痛で発症します。
 肺嚢胞と呼ばれる肺の空気の袋が、気圧の変化などの原因で孔があき、肺がしぼむ疾患です。最初に内科的治療として胸腔ドレナージを行いますが、以下の4つの場合は、手術適応になります。
  1) 2回目以上の繰り返す気胸
  2) 血胸を合併
  3) 両側気胸
  4) 内科的治療に抵抗
 気胸手術の多くは、胸腔鏡下に手術します。

胸腔鏡下手術について

 当院での呼吸器外科手術においては、東海大学から岩崎正之教授の協力のもと、手術を行っております。
 岩崎教授は東海大学で1991年に胸腔鏡下手術(VATS)を導入し、1992年から患者の安全を優先しつつ、傷を小さくしていき、最終的には2カ所の傷で手術を行う「二窓法」手術を行っております。当院においても肺がん症例の胸腔鏡手術は二窓法で行っております。
 
 
 
<胸腔鏡併用手術の返還(二窓法)>
胸腔鏡併用手術の返還(二窓法)

小田原市立病院

〒250-8558 神奈川県小田原市久野46番地 電話:0465‐34‐3175ファックス:0465‐34‐3179

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