当科は、産科婦人科専門医を6名擁し、日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設に認定された西湘地区の基幹中核病院です。そして、各々の専門・指導領域を中心に、救急も含めた産科・婦人科全般にわたってあらゆる疾患に対応できるように体制を整えています。日本婦人科腫瘍学会・婦人科腫瘍専門医指定修練施設、日本周産期新生児医学会・周産期専門医指定研修施設の認可を受けており、スタッフが高い専門性を全員で共有しつつ、患者様にとって最善の医療を共に考え、ご提供できるよう日々診療を行っております。
産科医療では、新生児特定集中治療室(NICU)を併設し、地域周産期母子医療センター、神奈川県周産期救急医療システム基幹病院として認定されています。新生児専門医と共に、西湘地区だけでなく、神奈川県下全域からの周産期救急を受け入れ、その役割を担っています。
一方、リスクの少ない一般の妊婦さんも多数受け入れており、毎年多くの分娩を取り扱っています。また、リスクのある分娩は、小児科医の立会いのもとで行っており、安全で快適な分娩ができるよう、最大限心がけております。出生前診断にも対応しており、新型出生前診断NIPT、羊水検査が行えます。
2022年度の分娩数は645件、うち帝王切開分娩164件(25.4%)、鉗子・吸引分娩54件(8.4%)となっています。
婦人科医療では、当院は西湘地区の地域がん診療連携拠点病院、日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設として認定されています。婦人科悪性疾患(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんなど)、良性疾患(子宮筋腫・卵巣腫瘍・子宮内膜症・子宮外妊娠・骨盤臓器脱など)、不妊症、月経不順や月経困難症など、一人一人の患者さんの治療法を十分に検討し画一的でない医療を行っています。
悪性腫瘍の治療としては、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)などを病期や患者さんの状態に応じて積極的に行っています。
良性疾患については、症状の有無、妊娠希望の有無、年齢などを配慮して、治療方針を決めています。当科では腹腔鏡・子宮鏡を用いた鏡視下手術を積極的に行っており、早期に退院し、社会復帰できるよう心がけています。また、思春期から中高年女性の健康管理という視点をもって、幅広く対応しています。子宮体がん、子宮頸がんの腹腔鏡下手術にも力を入れており、心身の負担の軽減を図っています。
2023年度の新規がん患者登録数は、子宮頸がん14例、子宮体がん42例、卵巣がん23例で合計79例となっています。婦人科手術数、腹腔鏡手術においては、腹腔鏡下子宮全摘97例、腹腔鏡下準広汎子宮全摘17例、腹腔鏡下骨盤臓器脱手術27例、腹腔鏡下子宮筋腫核手術11例、その他腹腔鏡下付属器手術など119例で計283例行っています。
2024年春より、手術支援ロボット ” da Vinci Xi ” が導入されました。現在、適応を検討した上で子宮全摘術を行っています。また、vNOTESも開始し、より低侵襲な手術を開始しています。従来通り、初期子宮体癌、子宮頸癌は腹腔鏡下手術が可能です。
認定施設等
日本周産期・新生児医学会周産期専門医指定研修施設
日本婦人科腫瘍学会・婦人科腫瘍専門医指定修練施設
日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
母体保護法指定医師研修施設
地域周産期母子医療センター
神奈川県周産期救急医療システム基幹病院
主な対象疾患
妊婦健診、分娩、帝王切開術、流産手術、
妊婦28週以降かつ推定体重1,000g以上の赤ちゃんの分娩
■婦人科
子宮頸がん、子宮頸部異形成、子宮体がん、卵巣がん、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍、骨盤臓器脱、子宮内膜ポリープ、
子宮内膜症、月経困難症
スタッフ紹介
役職名 氏名 |
資格等 | 専門領域 |
---|---|---|
部長 丸山 康世 |
医学博士、日本産婦人科学会婦人科専門医・産婦人科指導医、日本臨床細胞学会細胞診専門医・教育研修指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医・指導医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医、日本産婦人科内視鏡学会技術認定医、母体保護法指定医、臨床研修指導医 | ・婦人科腫瘍 ・内視鏡 ・遺伝 |
担当部長 榎本 紀美子 |
医学博士、日本産婦人科学会産婦人科専門医・指導医、日本周産期・新生児医学会周産期専門医・指導医(母体・胎児)、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医、日本超音波医学会超音波専門医 | ・周産期 ・遺伝 ・産業医 |
担当部長 瀬川 恵子 |
日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本産科婦人科遺伝診療学会認定医、日本がん治療認定機構がん治療認定医、ダヴィンチ手術(ロボット手術)執刀術者認定資格 | 産婦人科一般 内視鏡 |
担当部長 石川 玲奈 |
日本産科婦人科学会産婦人科専門医 母体保護法指定医 |
産婦人科一般 |
医長 梶山 涼子 |
日本産婦人科学会産婦人科専門医 母体保護法指定医 |
産婦人科一般 |
医長 牧野 睦子 |
日本産婦人科学会産婦人科専門医 母体保護法指定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 |
産婦人科一般 |
医師 池内 満里奈 |
日本産婦人科学会産婦人科専門医 | 産婦人科一般 |
医師 岩見 毬衣 |
産婦人科一般 | |
医師 髙山 純佳 |
産婦人科一般 | |
医師 近藤 晴花 |
産婦人科一般 | |
医師 堀越 玲 |
産婦人科一般 | |
非常勤医師 助川 明子 |
日本産科婦人科学会産婦人科専門医 | 産婦人科一般 |
診療実績
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
総手術件数 | 652 | 542 | 674 | 650 | 641 |
主な手術 | |||||
腹腔鏡手術件数 | 295 | 232 | 262 | 272 | 283 |
・子宮摘出術 | 89 | 65 | 74 | 78 | 97 |
・子宮悪性腫瘍摘出術 | 6 | 15 | 18 | 22 | 17 |
・卵巣腫瘍 | 109 | 77 | 90 | 88 | 81 |
・その他 | |||||
開腹手術総数 | 97 | 71 | 105 | 86 | 86 |
・子宮悪性腫瘍手術 | 41 | 19 | 14 | 22 | 21 |
・卵巣悪性腫瘍手術 | 27 | 19 | 35 | 30 | 17 |
・その他 | (45) | ||||
膣式手術総数 | 142 | 114 | 144 | 113 | 132 |
分娩数 | 757 | 580 | 629 | 645 | 621 |
帝王切開術 | 159 | 121 | 163 | 164 | 130 |