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2016年05月02日(月)

小田原城リニューアルオープン

1.艶やかな夜の小田原城
昨年7月から行われていた小田原城の大改修が完成して、5月1日に再オープンしました。オープンの様子は、NHKのニュースでも報道され、多くの人が入場のために行列をつくっている様子が映し出されていました。
 
オープンの目玉は、夜に行われた小田原城デジタル掛け軸です。夕方のまだ明るい内から多くの人がお城の広場に集まって、日が暮れていくのを待っていました。真白な白壁をスクリーンにして、色鮮やかな模様が映し出されたその姿は、艶やかで幻想的ですらありました。
デジタル掛け軸は5月5日までの限定上映ですが、是非お出かけください。
 
2.熊本地震支援
小田原城入り口の受付の背面には、寄木で作られた様々な形のパネルが貼られていて、アートな感じが素敵です。
受付の横にクマモンが描かれた看板が立てられて、熊本地震への支援を呼びかけていました。横には義捐金箱が置かれています。見学を終わった親子が早速義捐金を入れていました。
今回の再オープン初日の入場料は、熊本城修理に充ててもらうため、全額熊本市へ寄附されるそうです。大きな被害にあわれた熊本城の一日でも早い復興を、小田原城見学者もまた支えられるとよいですね。
 
3.摩利支天像
今回の大改修後の小田原城の呼び物は、何と言っても最上階にある「摩利支天像」の展示コーナーでしょう。江戸時代の小田原城最上階に祀られていて、大久保家の信仰篤かった摩利支天像が復活した姿は、往時の小田原城の荘厳な姿を髣髴とさせてくれます。
全て木で設えられた最上階の部屋は、木の香りも芳しく、そこに身を置けば、武士たちとは信仰によって支えられていたのだ、という事実を体感できます。
 
4.嬉しい展示
北条幻庵ファンの私として嬉しかったことは、北条幻庵自作の「一節切」(ひとよぎり:尺八の前身の縦笛)や、幻庵所持の短刀の展示がされていたことです。北条五代の当主の陰に隠れてあまり知られていない武将ですが、北条家の中では断トツの高禄であり、早雲の四男として北条五代全ての当主に仕えた北条家の実力者でした。そのような人物の所持品が展示されたことで、今後、北条幻庵の名が、より広く広まっていくことを期待したいと思います。(深野彰記)

2016/05/02 16:52 | 歴史

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