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2014年09月17日(水)

「小田原文学館」にて「北村透谷展」

小田原市が文学にゆかりのある街であることは、意外と知られていません。「小田原文学館」は、西海子(さいかち)小路にある田中光顕伯爵の別邸であった瀟洒な洋館です。この小田原文学館を会場に、8月21日〜9月23日までの期間で『北村透谷展』が開催されています。没後120年記念の特別展で、「アンビジョンのかなたに」と副題されていますが、「アンビション(理想・夢・大志)」は透谷が好んだ言葉だそうです。
透谷展のポスター透谷展のポスター
瀟洒な洋館である「小田原文学館」瀟洒な洋館である「小田原文学館」
北村透谷とは
明治の文学史上で必ず取り上げられる作家が、北村透谷(きたむらとうこく)です。明治元年(1968)に、透谷は小田原唐人町で生まれました。東京専門学校(現早稲田大学)に学び、自由民権運動に関わりました。そこで、石坂美那子と大恋愛をして結婚します。政治を離れて文学の道を進んだ透谷は、近代的な恋愛観を発表して島崎藤村などに影響を与えました。フレンド派キリスト教に入信して「日本平和会」の運動に加わりますが、精神に変調をきたし、25歳の若さで自死して短い生涯を閉じました。
文化部学芸員白政氏による透谷の生涯解説文化部学芸員白政氏による透谷の生涯解説
白政学芸員による解説
8月24日に、小田原市役所文化部学芸員白政晶子氏による展示解説がありました。透谷は、詩・評論・戯曲・人生論など多岐にわたる作品を100点以上発表しました。会場には、透谷自筆の年賀状や透谷最初の作品である「楚囚之詩」など貴重な資料が展示されています。白政氏から25年の人生の節々で透谷が抱いた、それぞれのアンビションについて丁寧に解説していただきました
文化部学芸員白政氏による展示品解説文化部学芸員白政氏による展示品解説
博物館や美術館には学芸員がいて、研究活動をしながら特別展の企画を進めています。
どの美術館・博物館でも学芸員にお願いすれば、時間のある限り解説をしていただけます。学芸員による解説で、より展示会を楽しく学ぶことができますので、是非声を掛けてみてください。
(深野 彰 記)
北村透谷展 〜アンビションのかなたに〜
 8/21(木)-9/23(火・祝)
 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
 小田原文学館(小田原市南町2-3-4)
 入館料 大人250円・小中学生100円
 問い合せは 小田原市立図書館 0465-24-1055

2014/09/17 17:19 | 歴史

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