一升石と一升の米仙洞御所の南池に整然と並ぶ小田原から運ばれた石を「一升石」と呼んでいます。
石は10〜15cmの大きさの均一を保ち、この丸く平べったい石が南池の周りを飾っています。
十一万三千個もの形がそろい胡麻模様の石を集めるのは容易ではなく、それ故に藩政府は、「石1個を持参したら米一升と取り換える」と役人がお触れを出したとの言い伝えからくる名称です。
当時の貨幣で表すと米1升は約120文でした。現在では約1,450円でしょうか。文化文政期はお酒1升が約200文、豆腐1丁が約30文、旅籠の宿賃が約300文、人夫の日当が約250文、大工の日当が約500文でしたから、120文相当のお米は貴重なものだったと思います。